このテキスト、そもそも解答欄がありません。そして問題の右に答えが書いてあります。問題集に解答欄がないことや、すぐ隣に答えが書いてあることは30種類以上見たテキストの中でこれだけでした。一般的な作りとは全く異なる構成になっていますが、このテキストは非常に考えて作られているのだと気が付きました。(神奈川県で進学実績No1の塾が使っています。)
良い点①:復習がしやすい
生徒が直接書き込まないので、ノートや別紙に解きます。正解の問題に○、間違えた問題に×をチェックし、×の問題だけを復習すればOKです。一般的な解答欄があるテキストですと、答えを直接書くため、間違えた問題を消さないと再度解けません。また答えを書き込むため、復習ができにくい(復習する際に答えが見えてしまう)のです。
非常に細かい違いですが、全ての生徒に正しい勉強をしてもらうためには、「〜したくなる」作りを意図的に設計しなくてはなりません。今回の話で言えば「間違えた問題だけを復習したくなる」よう設計しないといけないのです。「復習しよう!」で全員が復習してくれれば良いのですが、当然そんな訳ないので、仕組みで生徒たちの行動変容→学力向上を図ることが重要だと考えています。
良い点②:答え合わせがしやすい
右隣に答えが書いてあるので、そこを隠して問題を解けばOKです。別冊になっていないので、答えを無くしたり、答え合わせがめんどくさくなることを避けられます。
中学生で意外に多いのが、問題を解いても答え合わせをしないことです。これでは学力は向上しません。ただ、このテキストの構成であれば、答え合わせがしやすくなります。こちらも些細な違いですが、勉強しやすいテキストにこだわらなければ、全生徒の学力向上は難しいのです。
以上から、テキストに解答欄は不要だと思いました。勉強が苦手な生徒には、このような解答欄がないテキストの方が良いと思います。