数量感覚は遅くても小6までに

数量感覚のない生徒

数量感覚とは、数が大きい・小さい、または桁がいくつ増えるかという大きさの感覚のことをいいます。例えば、29×21が約600になると考えられる人や、200円の6割引が100円以下だと瞬時に考えられる人は数量感覚があると言えるでしょう。

数量感覚のある生徒がほとんどですが、中には数量感覚のない生徒もいます。例えば、①50×1.3=6.5と答えたり、②3032÷8=3790になったりです…。①であれば、そもそも50より小さくなるわけがないという感覚が必要ですし、②であれば、3032より大きくなるわけがないという感覚が必要です。

許容できる計算ミスと許容できない計算ミス

先ほどの①50×1.3の問題を取り上げてみましょう。答えは65ですね。このような問題では、許容できる計算ミスと許容できない計算ミスがあります。許容できる計算ミスとは数量感覚のあるミスです。50×1.3=75としてしまうのは、数量感覚のあるミスなのでしょうがないです。気をつけて計算しましょう。人間誰しも完璧ではないので、計算ミスは起きてしまいます。

ただ、50×1.3=6.5としていたら、これは数量感覚のないミスです。「しょうがない」とはなかなかなりません。そして、このようなミスをする生徒の算数・数学はなかなか伸びません。能力を高めるのに非常に時間・労力がかかります。なぜなら計算が作業になっており、頭で考えることを行っていないからです。数量感覚のない人に共通することは、暗算や概算(おおよその見積もりをすること)ができません。

なぜ数量感覚がないか

数量感覚がない理由は、数量感覚を鍛える暗算や概算の機会が、生活の中で少ないからでしょう。おそらく、数字を扱う機会が最も多いのは買い物で現金のやり取りをするときなので、数量感覚のない子どもは、現金のやり取りが少ないのだと思います。

特に、子どもが自分でお金を握りしめて1人で買い物をするという経験が少ないのではないかと思います。お母さん・お父さんがお菓子を買ってきてくれたり、あるいは一緒にスーパーに行って買ってもらう。すると暗算や概算のトレーニングは生活から得られにくくなります。

生活の中で数量感覚を身につけるには?

先述の通り、生活の中で数字を扱う機会が最も多いのは現金のやり取りだと思います。そのため子どもに現金のやりとりをもっと経験させる必要があるでしょう。

たとえば、昔は当たり前のようにあった駄菓子屋。今はかなり減っていますが、子供が自分でお金を握りしめて限られた予算の中から買い物をする、というのは数量感覚を鍛えるトレーニングになります。

1人で買い物に行かせるのが不安であれば、一緒にスーパーに行って、子どもに100円・200円を渡し、この金額で必要なものを買いなさいと会計を別にすればいいだけです。電車に乗る場合はSuicaではなく、現金で目的地まで毎回切符を買わせればいいです。

お金を渡されれば、予算内でなるべくお釣りが少なくなるよう、頭を使って買い物をするでしょう。このようにして、暗算や概算などの練習を生活の中で積むことができます。

遅くても小6までに身につけて欲しい理由

数量感覚を小学生の間に身につけて欲しい理由は、中学以降、数量感覚を鍛えるための時間がほとんど取れないからです。小学校の進度は中学に比べれば非常に遅いです。そんな中学も高校に比べれば非常に遅いです。つまり数量感覚を鍛える計算に十分時間が取れるのは小学生までです。

もし中学受験をするなら小6よりももっと早くなるでしょう。小4〜小6の間は、ほとんど時間が取れないと思うので小3までに数量感覚は身に付けておきたいです。

キャッシュレス化など、生活の中で数字を扱う機会が減ってはいますが、数量感覚が身につくまでは現金を多用し、実生活の中で数字に対する感覚を身につけて欲しいと思います。