「学習格差」が拡がる要因は機会の不平等ではない
今日の毎日新聞の記事が話題になっている。記事のテーマはずばり「学習格差」である。
[blogcard url=”https://mainichi.jp/articles/20200315/k00/00m/040/061000c”]
昨今のコロナウイルスの影響により、学校が臨時休校になり、家庭内で1日を過ごす子どもが増えた。
記事を読むと、冒頭から違和感がある。
「塾に通い、ウェブ学習ができる子との格差が広がる」「子どもだけで過ごす時間がさらに長くなる」
後者はその通りだろう。共働きやシングルで子どもを育てていれば、リモートワークができない限り、日中仕事がある親は家にはいられない。
ただ、前者は表現が正しくない。そもそもウェブ学習は、塾に通っていない子どもでもできる。
なぜなら、今回の騒動で、多くのウェブサービスが無償提供されているからだ。
詳しくは下記の記事を見てほしいが、塾に行っていなくても学習はできる。なんならYoutubeで勉強動画はたくさん上がっているので、そういうものを活用すればよいだろう。
記事では、パソコンやタブレット端末などの通信機器と書いてあるが、書き方が巧妙だ。きっとスマホは持っているからこういう書き方をするのだろう。スマホでやればいい。
そもそもスマホを持っていなければ、子どもと連絡がとれないので、その方が問題だろう。
昨今インターネットがこれだけ普及し、専門的な知識まで簡単にアクセスできるようになっている。つまり情報はいくらでも入手できる時代なのだ。
勉強法1つとっても、わかりやすい解説付きの授業動画が無料で見ることができる。
まぁ仮にスマホを持っていなかったとしても、端末の非所持が学習格差が拡がる要因ではない。決して、この問題は機会の不平等によるものではない。
では学習格差が広がる要因は何か。それは学習習慣がないことだ。
そして、学習習慣の養成には、管理される(強制される)環境が必要だ。
そもそも、勉強を好んで行う子どもは少ない。だから最初は管理される状況にあっても学習習慣を身につけないといけない。
たとえば、中学受験を経験した人ならわかると思うが、小学6年生になると1週間に5日ほど塾に行き、勉強をする。家にいても勉強をするし、休みの日も勉強をする。夏休みも合宿や夏季講習で勉強をする。
もちろん、できればゲームをしたいし、Youtubeを見たいだろう。
ただ、こういう積み重ねがあって、勉強をする体力を身につけていくのだ。
そして大学に入るまでには少なくとも体力づくり(勉強)はさせておいた方がよい。しかも毎日勉強をする習慣を身につけさせるべきだ。
そうすれば、学校がなくなってもコツコツとやるようになり、今回のような学習格差の問題は出てこなくなる。
塾に通えないのであれば、子供が小さいうち(時間がかけられるうち)に、親と一緒に学習する習慣を身に付ける必要があるだろう。
そして、ここを解決しなければ、いつまでも機会の不平等へと問題点がすり替えられてしまう。
今回の休校で、学習量が激減する子どもは、コロナが問題なのではなく、それまでに学習習慣を身につけさせなかったことに本質的な問題があると気づくべきだ。
ちなみに学習習慣は塾に行って、身につくものではない。毎日勉強をして身につくものだ。だから、学習習慣が身につく前に通い放題の塾を選ぶことは絶対におすすめしない。
筋トレの習慣がついていない人が、ジムに入会しても結局行かなくなるのと同様に、通い放題は自己コントロールができる前には通うべきではない。
つまり、まずは必ず決まった時間に通うタイプのジムがよい。これは塾でも同じことが言える。
そして通うことに慣れてきたら、通う頻度を少しずつ増やしていくのがいいだろう。
つまり、最初は自由ではなく、管理された場所に行き、慣れてきたら頻度を増やす。というフローが大事だ。
ジムは、休眠ユーザー(会費を払っているのにジムに来ないユーザー)で成り立てば良いが、子ども向けの教育業界でそれをやるのは、教育者としてはあまりにも無責任だ。
しっかりと面倒を見ないと、子どもは好き勝手遊ぶ。
だからこそ、時間を決めて来させ、習慣化させるのがよい。習慣が身についていない子どもに、通い放題を提供するのは、結局効果が出せない。
一見、通い放題というのは聞こえはいいだろう。
しかし自分から進んでやるようになる前に、通い放題の塾に入れさせるのは、間違えている。