2020年度 神奈川県高校入試の合格者平均点

神奈川県高校入試の合格者平均点が発表された。まず、結論からお伝えすると、2020年度の平均合計点は、2018年度と比べて23.5点、2019年と比べて25.3点高く、直近3年間の中で、最も高い点数となった。

科目別に見ると、全ての科目で平均点が上がったわけではない。昨年ベースで比べると、国語・数学・社会の平均点は上がっているものの、英語・理科ではむしろ点数が下がっている。にもかかわらず、平均点が25点近く高まった要因は、社会だろう。今年は2018、2019年と比較して、1科目で15点以上も平均点が上がっている。

社会の点数をここまで高めている要因は、得点分布の上位層である。直近3年間の比較は下記の図の通りだが、80点以上をとった学生の割合が2018、2019年は3%ほどだったにもかかわらず、今年は20%を超えている。

今年は地理や歴史よりも公民の分野の正答率が高かった。情報社会について説明した問題や医療費負担に関する問題などは、95%ほどの正答率があり、時事ネタなどを含め社会情勢をしっかりと把握している学生には、簡単な問題だっただろう。このような問題は確実に点をとらなくてはならない。

幸い、今年私が指導していた生徒は、全員第一志望の高校に合格したのでほっとしているが、指導者としてはこのようなデータをしっかりと分析し、どの問題で点数をとるのか、あるいはどの問題を後回しにするか、事前にしっかりと指導しなくてはならない。

たとえば、今年の数学の空間図形の問題は、正答率が0.5%しかなかった。つまり200人に1人しか正解していないのだ。でこの問題の配点はというとたったの5点。他の問題の配点となんら変わらない。当然この手の問題は最後に回すべきだし、時間がないなら、解かなくても良い。

解ける問題を最優先に。これは大人には当たり前のことかもしれないが、中学生の子どもたちにこれを叩き込むのは一筋縄ではいかない。何回も実践的な問題を解き、口うるさく伝え続けてようやく身につける。

自分が教えている生徒は、圧倒的に実践問題を解く量が多い。これを積み重ねていくと、正答率の高い問題が分かってくる。つまり落としてはいけない問題がわかってくるのだ。そうすると、平均点プラス20くらいは常にキープできる。

そこから弱点単元を詰めていく。これが3年生の夏以降。つまり3年生の夏には一通り正答率の高い問題は解けるように授業カリキュラムを組んでいる。

どの塾に入るにせよ、生徒一人ひとりの「戦略」を緻密に立てる指導者がいる場所が言いに決まっている。OKUNO塾は個人塾だからこそ、徹底的に一人ひとりにアプローチできる。

当然、我々のライバルはそのような指導者がいる塾だ。アルバイト講師が指導するような塾ではない。そもそも戦略を立てるために、データの分析に何十時間もかける必要がある。

これは決して公開されているデータだけではない。塾専用のデータブックや受験生からの体験談、模試の報告会や学校の先生たちとの交流など、さまざまな場所から集めたデータを分析する必要がある。そしてそれを、生徒一人ひとりに合わせてカスタマイズしなくてはならない。ここまで戦略的に分析・カスタマイズを行い、合格を勝ち取る。

我々の使命は、生徒が入りたいと思う学校に入れさせてあげること。ここまでするのは当然であり、しかも常により良い方法が他にないか模索し続ける。これも全て、笑顔でときに嬉し泣きしながら合格報告をしてくれるあの一瞬が忘れられないからである。